試験概要

このページでは、ガス主任技術者試験の概要をまとめてみました。これから試験勉強を始めようとされる方向けに、この資格は必要か?合格率は?いつ・どこで試験が行われるのか?などなど、試験のことをまとめております。勉強を開始される前に、試験の情報を整理してから臨みましょう!勉強方法や参考書などについては別記事にて紹介させていただきます。現都市ガス会社社員のリアルな視点から情報をお伝えします。

ガス主任技術者とは?ガス主任技術者試験とは?

そもそも「ガス主任技術者」とはどういったものでしょうか?ざっくり説明すると「ガスに関する保安の監督をさせるための責任者」ということです。ガス事業法の規定により、「ガス主任技術者免状の交付を受けている者であって、経済産業省令で定める実務の経験を有する者のうちから、ガス主任技術者を選任し、事業場ごとにガス工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督をさせなければならない」としています。免状については甲種免状・乙種免状・丙種免状と3種類あり、保安の監督をすることができる工事の範囲が免状ごとに定められています。

免状種類保安の監督ができる範囲
甲種ガス主任技術者ガス工作物の工事、維持及び運用
乙種ガス主任技術者最高使用圧力が中圧及び低圧のガス工作物の工事・維持及び運用
特定ガス工作物及び当該特定ガス工作物に係るガス工作物の工事・維持及び運用
丙種ガス主任技術者特定ガス工作物及び特定ガス工作物に係るガス工作物の工事・維持及び運用
各種免状と保安の監督ができる範囲

上に免状ごとに保安の監督ができる工事の範囲をまとめました。丙種免状は特定ガス工作物まわりだけ、乙種免状は最高使用圧力が中圧まで、甲種免状はすべてのガス工事を取り扱うことができます。最高使用圧力が高圧のガス工作物は、甲種ガス主任技術者を選任した事業場でなければ取り扱うことができません。

そして、管轄省庁である経済産業省大臣が、ガス主任技術者の各種免状を交付できる者の要件がまさに、「ガス主任技術者試験に合格した者であること」があります。

ガス主任技術者試験に合格することで免状を受けることができて、ガス事業者はその免状を受けた者のうちからガス主任技術者を選任する、ようになっております。

資格保有のメリット

社内評価が上がる

ガス主任技術者は原則、事業場ごとに1人(代行者としてもう1人)選任するようになっていますので、ガス工事に携わる従事者全員が資格保有していなければならないということはありません。

多くのガス会社では、ガス事業に携わる者として、業界の全体の知識を習得する意味合いで、社員に資格の早期取得を促しているような実態になっているのではないでしょうか。資格取得の期限を設けているガス会社もあると聞きます。

資格保有のメリットがあるとするならば、社内評価が上がることでしょう。

とにかくガス会社に就職すると、この資格を早期に取得することを促されます。業界について一定の知識があるか否かを図るものさしとして、この資格の有無はちょうどよいものとされています。有資格者が少ない会社であれば、相対的に有資格者の評価が上がり、出世のスピードも早くなるでしょう。数あるガス会社の中には、「とってあたりまえ」の会社もあるかもしれませんが、そのような会社で資格を保有していないのは、評価としてはマイナスイメージにつながります。

ガス会社社員にとって、ガス主任技術者試験を受験することは一つの避けられない壁となっています。しかし、壁を乗り越えた暁には、ガス業界において一定の評価を得られる人材になっていることは間違いありません。

合格お祝い金・資格手当がある

多くのガス会社は、資格保有者数を増やしたいと考えております。ガス会社の中には、社員のモチベーションを上げることを目的に、合格したときに支給される合格お祝い金や月々の給与に反映される資格手当を準備していることがあります。評価の対象になることも考慮すると、資格の早期取得は生涯年収に大きく影響を及ぼすでしょう。

受験に関すること

受験資格

受験資格は特にありません。

受験の流れ

例年の受験のスケジュールをざっとまとめました。正確な日時は日本ガス協会HPならびに受験願書・受験票をご確認ください。

4月末頃            受験願書等日本ガス協会HP掲載

5月末頃            受験願書締切

8月中旬頃           受験票発送(試験会場発表)

9月最終日曜日       試験

試験日翌週の金曜日   試験問題及び解答(マークシート)のHP掲載

12月中旬頃         合格者受験番号のHP掲載(順次合格通知書の発送)

受験地

例年、受験願書提出時に北海道・宮城・東京・愛知・富山・大阪・広島・香川・福岡・沖縄の中から選択するようになっております。会場については、発送された受験票に記載されています。日本ガス協会HP上にも会場一覧が発送日に掲載されています。

受験手数料

甲種試験・乙種試験・丙種試験ともに12,700円(非課税)となっております。

合格率

令和元年度〜令和3年度の申込者数、合格者数及び合格率を表にしました。令和元年度は例年に比べてかなり低い合格率で、逆に令和3年度は高い合格率になった印象があります。甲種試験の合格率は平均すると10%~15%の間の値に収束するかと思います。

年度受験者数合格者数合格率
令和3年度2,511人516人20.5%
令和2年度2,647人279人10.5%
令和元年度2,839人188人6.6%
甲種ガス主任技術者試験
年度受験者数合格者数合格率
令和3年度2,076人485人23.4%
令和2年度2,150人356人16.6%
令和元年度2,117人253人11.6%
乙種ガス主任技術者試験
年度受験者数合格者数合格率
令和3年度3,170人897人28.3%
令和2年度3,107人751人24.2%
令和元年度3,100人527人17.0%
丙種ガス主任技術者試験

試験要領

試験は甲種、乙種、丙種ともに筆記試験によるもので、下記の要領で行われます。出題範囲が広く、それぞれの科目に足きり点が設けられているため、幅広い知識が求められます。

 

甲種・乙種・丙種 配点

科目

出題形式

マークシート問題 法令 16問出題 16問解答 1問につき5点
基礎 15問出題中 10問選択して解答 1問につき5点
ガス技術 27問出題中 20問選択して解答 1問につき5点
論述問題 法令 1問出題 1問解答 35点満点
ガス技術 3問出題中 1問選択して解答 35点満点

 

まとめ

以上、ガス主任技術者試験の試験概要をまとめてみました。出題範囲が広く、合格者が約2割しかいないなど、この資格の取得は決して簡単なものではありません。しかし、試験に合格した後には、キャリアアップ・年収アップなどの相応のメリットが感じられると思います。しっかり対策して臨みましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました